2017年9月に観た映画
重大なネタバレはしてないけど、観てない人には不親切だし役立つ情報も特にない感じのやつです。
~もくじ~
映画館で観たもの
散歩する侵略者 ~3.5点!(直感採点)~
2017.09.13 wed @新宿ピカデリー
「東京ソナタ」を観てからずっと黒沢清作品をもっと観たいと思いつつ、怖いのはちょっとな…でも配信されてるの怖そうなやつばっかりだな……と二の足を踏み続けること数年、イキウメの舞台の映画化!しかも主演が長澤まさみお姉さま!ということで、いそいそと観てきました。
まず良いなあと思ったところは、人の喋り方。特に前田敦子さんを見て思ったのですが、この映画全体的に台詞の言い方が独特じゃありません?声の出し方というか、抑揚というか。変わった喋り方をすべき登場人物もいたわけですけど、それ以外の人もなんかちょっと不思議なトーンだった。監督の趣味なのか、それともイキウメ版の演技がそうだったのか分かりませんが、面白くて好きでした。
あと、私、松田龍平の演技が上手いのか下手なのかよくわからないんですけど(好きではあるけど)、あの、棒読みなのか?味のある喋り方なのか?みたいな感じが、この役にはとてもよくはまってた気がします。妙な説得力と、とぼけた愛嬌があって良かった。
悪かったところというか、ちょっと物足りなかったのは、ところどころ話が荒かったところ。たぶん原作が演劇、それもキャストもお客さんも人数が限られるような作品だからじゃないかと思うんですけど、設定や展開のデフォルメがきつめじゃないですか。それでいて画面がわりと繊細な感じなので、ちょっと違和感がなくもなかった。
総評としては見出しの通り、3.5点って感じです。5点満点で。「特に引っかかるところがなく普通に面白い」が3点、「めっちゃ面白い!もう一回観たい!」が4点で、その間、くらいの感じ。
これを書くにあたって当日のツイートを振り返ったのですが、
散歩する侵略者を観てきたんですけど、松竹の予告が泣けるティーン向け恋愛映画〜〜♡みたいなやつばっかりで、大丈夫かな?この客層に響くかな??平日の夜に散歩する侵略者観に来てる人たちにこのラインナップ響くかな????って気が気じゃなかった
— ina katano (@katanoina) 2017年9月13日
これややネタばれになるかもしれないんですけど、笹野高史さんが階段を数段タタタッて降りるとき体の軸が全くぶれてなかったので、この人きっと人間じゃないんだ、いまにもメタモルフォーゼするに違いない、と気が気じゃなかった
— ina katano (@katanoina) 2017年9月13日
気が気じゃなさすぎではないか。
ダンケルク ~私の知らないWWⅡ、あるいは上等なセーターの話~
2017.09.17 sun @ユナイテッドシネマとしまえん
ダンケルクめーっちゃ面白かったけど、途中嫌すぎてちょっと泣いた
— ina katano (@katanoina) 2017年9月17日
嫌っていうのは、映画に対してではなく、映画の中で起こってる出来事に対してで、すごい爆弾来る!!すごい死ぬ!!水が!!息が!!うえーん!!みたいな……最近涙腺の幼児化が止まらなくってね!!
あと、自らすすんでIMAXにしたくせに、そのために豊島園まで遠征したくせに(2DでIMAXというのがなかった)、音が大きすぎて怖いよお!!うえーん!!ってなりました。それくらい音の迫力がすごかった。逆に言えば、いい音で観る意味があるということかもしれない。怖いけど。
ダンケルクの話の続きなんですけど、強気の姿勢で何も予習せずに行ったら、背景がまるでわからなすぎてびっくりした 第二次世界大戦の太平洋戦争以外の部分を知らなすぎる…政治学科卒なのに…国際政治をメインに勉強してたはずのに…あまつさえ戦争史のゼミだったのに……
— ina katano (@katanoina) 2017年9月17日
空襲があったこととかは知ってたはずなのに、ヨーロッパのあの整った感じの町並みのなかで市街戦してたって全然イメージなかった あと日本で第二次世界大戦の映画っていうと終戦間近の夏の印象が強いから、みんなコートとか着てるの変な感じだった
— ina katano (@katanoina) 2017年9月17日
いやあ、ほんとうに。自分がこんなに第二次世界大戦について知らないとは思いませんでした。
日本が直接戦った最新の戦争であり、一番身近な戦争のはずなのに。太平洋戦争以外の部分を全然知らなかったこと、そしてそのことに気付いてすらいなかったことに、序盤はとにかく衝撃を受け通しでした。すごい、全然知らない!これも知らない!どれも!知らない!!って。
これはさすがに私が聞き逃しただけで本編でも説明してたんだと思うんですけど、はじめダンケルクがどこの国かも分からなくて、「イギリスから海を渡って助けに来るってことは、イギリスではない…そしてどうやらドイツでもない……」って余計な処理に脳のメモリを使ってしまいました。
面白いらしいと聞いたらそれ以上の情報を遮断したまま何の話かも知らないまま観にいくっていうのを結構やるんですけど、今回はそれが災いして、「ダンケルクはどこだ」っていう無用のミステリ要素を足してしまう結果に。
これから観るみなさん、ダンケルクはフランスってことだけは覚えていった方がいいよ!
私にとっての第二次世界大戦って、圧倒的に終戦間近の夏の広島長崎沖縄だし、そうでなければヒトラーだったんだな、と思った。
で、そういう題材の映画って、国民服だったりもんぺだったり、ヨーロッパの話でも質素な服を着てるじゃないですか。画面のトーンも暗くって。
でも、この映画に出てくる市民はかわいいセーターを着ているし、戦場にいる海軍中佐もコートの下にタートルネックのセーターを着ている。
あ、コート着てたけど5月の話だったんだ?!海軍の中佐なんて上着の下にタートルネックのセーター着てたのに(あのセーターすごいかわいかった 外国の軍服おしゃれでずるいしそりゃ勝てないわ感がすごい)
— ina katano (@katanoina) 2017年9月17日
おしゃれと言えば撤退戦のためにボートみたいな船を徴用された民間人たちの身なりが結構みんなちゃんとしてて、戦勝国…………と思った 戦地に向かう船に紅茶積んでたし
— ina katano (@katanoina) 2017年9月17日
戦地から撤退するために民間の小舟を徴用する程度には切羽詰まっていたはずなのに、対岸のイギリス本国の国民はあんまり困窮してる様子がないんですよ。街はちらっとしか映らないけど、少なくともそこそこちゃんとした服を着て、戦地に向かう船に紅茶のポットを積むことは出来ている。
こりゃあ国民服ともんぺ着てるようでは勝てませんわ!と思った。映画だから、きれいめに描かれているのかもしれないけど。
戦争映画のわりにきれいだったのは服装だけじゃなく、映像全体もそうか。ぐちゃぐちゃどろどろしたおぞましい感じのものは全然映らなかったですよね。賛否あるんでしょうけど、死体とか悲惨な映像が出てこないのが逆に怖かったような気もしました。
あと、終盤にかけてぐーっとまとまっていく構成テンション上がるとか、これほんとうに飛行機飛ばして撮ったのか、すごいなあ、とか、いろいろ思ったことはあるんですけど、他の人がもっといい感じに言ってると思うのでそちらに任せます。
おまけ:セーターがみんなよかったなーという絵日記。観に行く前、Twitterで結構ファンアートを見かけて、戦争の話なのに?お絵描きするようなテンションの話なの?って思ってたんですけど、確かに映像がきれいで絵を描きたくなる映画でしたね。
配信で観たもの
市民ケーン ~アメリカの映画孤独な大富豪好きだよね~
2017.09.01 fri. @U-NEXT
有名な映画を観ようシリーズ第2弾は「市民ケーン」を観ました 偶然にもまたオーソン・ウェルズ 第三の男よりかなり面白かったけど、3日かけて観たせいで結末の意味がわからなくてめちゃくちゃもったいなかった……
— ina katano (@katanoina) 2017年9月1日
オールタイムベストで必ずと言っていいほど名前挙げられてるのわかるな~って感じでした。物語はシンプルだし、ものすごい驚きとかはないけど、しっかり面白い感じ。
一気に観た方がいいと思います。あとスマホの画面で観ない方がいい。はちゃめちゃ肝心なものを見逃して、台無しになる恐れがあります。
一番共感したのはリーランドがつまんないオペラ見てる時プログラムかなんかで手遊びしてて、最終的に吹き流しみたいにしてたとこ pic.twitter.com/ELMiJkoSgq
— ina katano (@katanoina) 2017年9月1日
吹き流しっていうか、ラブホの入口のカーテンって言った方がわかりやすかったですかね。
メメント ~アメリカの映画すぐ人がキレる~
2017.09.18 @dTV
インセプション映画館で観たときめちゃくちゃ面白くて衝撃を受けた記憶があるのにそれ以降クリストファーノーラン作品観てなかったの謎だな 観といてほしかった
— ina katano (@katanoina) 2017年9月17日
というわけで観てみました。
クリストファー・ノーランは昔から時系列ばらばらおじさんであることが分かりました。面白かったです。