長澤まさみに「あんたもしかして死んでんじゃない?」って仙台で言われた話
ぼんやりしてたらキャバレー観れずにおわっちゃったなあ、観たかったなあ、ってネットサーフィン(死語か?)してて小池徹平のウィキペディアに辿り着いたら私そうと知らずにいままで小池徹平のミュージカル出演作全部観てたみたいで今にわかになんとかしてキャバレー観ねばという使命感が
— katanoina (@katanoina) 2017年2月4日
@katanoina 仙台まだチケットあるんだ……いや……仙台………日帰り……できるけど………………
— katanoina (@katanoina) 2017年2月4日
@katanoina いや……この寒い時期にわざわざ仙台…………松尾スズキ演出……いや………戦間期ドイツが舞台……うーん……気になる要素しかない……そしてエロい長澤まさみ………いや……………
— katanoina (@katanoina) 2017年2月4日
@katanoina 来ちゃった/// pic.twitter.com/qVFvcIaCwV
— katanoina (@katanoina) 2017年2月12日
…というわけで行ってまいりました、キャバレー仙台公演。
【ゲネプロ30秒】松尾スズキ×長澤まさみ 伝説のミュージカル「キャバレー」が10年ぶりに復活!
この後ちゃんと確認したら「キレイ〜神様と待ち合わせした女〜」(2014)は観てなかったので小池徹平コンプリートではなかったわけなんですけれども。
ツイッターで何度も言ってることなのですが小池徹平さんは本当に見るたび佇まいがミュージカルの人らしくなっていて、すごく幸せな気持ちになります。やったー!って。勝手に。
今回もね、小池徹平さんも、良かったんですけど。しかし、何しろ、長澤まさみの魅力が!!すごかった!!すごかった……!!
キンキーブーツの何が嬉しかったって、小池徹平さんも三浦春馬さんも中高生の頃まわりでは人気あったけど「そんなに歳の変わらないつるっとしたただのイケメンよりも私は40代くらいの味のある人の方が好きだし…」と思って敬遠してた人たちで、
— katanoina (@katanoina) 2016年8月31日
@katanoina それが10年の時を超えて二人とも全然つるっとしたただのイケメンじゃない、いや外見も超イケてはいるけどそれだけでは全くないってことに気付かせてもらえたのがとてもハッピーな出来事だった 特に三浦春馬さんは舞台で見るの初めてだったけど、あんなに凄いとは
— katanoina (@katanoina) 2016年8月31日
これはキンキーブーツを観た時の小池徹平さんと三浦春馬さんについてのツイートなんですけど、長澤まさみさんもちょっとそういうところがあって。中学生のときには「世界の中心で、愛をさけぶ」、高校生のときには「プロポーズ大作戦」と、私の中高6年間を通してずっと彼女は好きな女性芸能人ランキングのトップ争いをしてる感じで、出るドラマ出るドラマみんな見てるし放送翌日はみんなめっちゃ長澤まさみの話してる!みたいな状態だったんですけど、その頃ちょうどサブカルこじらせ女子に片足を突っ込んでいた私は「確かに美人だけどさ~~私は麻生久美子とか市川実日子とかの方が好きだわ~~~」とか思っていたという(お二人のことは今でも大好きですが)。
それが、キャバレーの猥雑な雰囲気の中に彼女が現れた瞬間。「長澤まさみーーーーー!!!!」って、応援上演だったら両手にサイリウム持ってハッピ着て立ち上がってたとこだった(応援上映でも立ち上がっちゃだめです)。そこからずっと、目を離せなかった。
背が高くて手足が長いからそれだけで存在感があるし、仕草に華があって、あと表情がいちいち魅力的だった。キャバレーの歌姫という役柄のせいもあるかもしれないけど、自分が魅力的だってことを知ってる人!っていう感じだった。
ずっと大勢の人の視線や好意を浴びてきた人には、独特の凄みのようなものがある気がする。キンキーブーツの時も思ったけど、そういう見られ続けてきた人の魅力、迫力は、生で見るとやっぱり一番実感できるなあと思う。こうやって、みんな好きだから、人気があるからという理由で勝手に見くびっていた人たちのことを、再発見というか、ちゃんと素直に認められるようになるのは、とてもハッピーでラッキーなことな気がする。全ての才能ある人たち、魅力的なお芝居に出てほしい。
作品全体を見ると、演出にはちょこちょこ気になるところがあったし(ってメモってあったから書いてるけど、何が気に食わなかったのかは忘れてしまった)、ナチス政権が台頭しはじめる頃のベルリンが舞台ということでその辺もっと踏み込むのかと思ったらそうでもなくてちょっと肩すかしだったりとか、細かい文句はいろいろあるんですけど、長澤まさみのミュージカルの才能を見つけてくれてありがとうの気持ちだけでも東北新幹線往復22,400円の元は取りました。
物語の終盤、恋人との別れを経てキャバレーの舞台に立ったサリーが(そういえばここまであらすじも書かずに来てしまいましたが、長澤まさみの役どころはベルリンのキャバレーで働くイギリス人の歌姫サリー・ボウルズでした)「あんたもしかして死んでんじゃない?」って吹っ切れたみたいな笑顔でお客に言い放つのが、どうしてかわかんないけどなんかめちゃくちゃ泣けた。
恋人との子供を身ごもって、一緒にアメリカに行って子供を育てようって言ってもらったのに、その希望に従うことが彼女には出来なかった。それよりベルリンのキャバレーで歌うことを選んじゃう。ナチスが台頭し、戦争の影が差すベルリンの。
そんな舞台でサリーはどうしようもなく輝いていて、そのやけくそじみた明るさが、舞台に上がることを選んでしまう人のかなしさというか、やりきれなさというか、業みたいなものを引き立たせていた気がする。
そこに投げ込まれる「あんたもしかして死んでんじゃない?」。
感想で言及している人が見つけられなかったので、私の幻聴っていう可能性が捨てきれないんですけど、長澤まさみにそれを言われた瞬間、嗚咽が洩れそうになったんですよね。ほんと、なんだったんだろうあれ。
(どうしても向かいのマンションが写り込んでしまって、母に「巨大化したまさみちゃんが仙台の街を踏み荒らす話やったんか?」って言われた写真)
20170211「キャバレー」@仙台サンプラザ